文献詳細
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅴ.神経系細胞株 神経細胞 神経芽細胞
文献概要
■樹立の経緯
NB-Ⅰ株の報告以前には,数種の神経芽細胞株が外国で樹立されたにすぎず,NB-Ⅰ株はわが国で初めて樹立された細胞株である。1971年,生後2年9ヵ月の男子剖検例の頸部リンパ腺転移を材料として,三宅ら1)により培養が開始された。初め,単層増殖する線維芽細胞上に腫瘍細胞が網眼状に付着したが,低濃度トリプシン液消化によって,腫瘍細胞の方が線維芽細胞より容易に剥離した結果,分離,継代に成功した1)。下記のように,この細胞が交感神経由来を示したことより,neuroblastoma cell line of human origin,NB-Ⅰと呼ばれるようになった。
NB-Ⅰ株の報告以前には,数種の神経芽細胞株が外国で樹立されたにすぎず,NB-Ⅰ株はわが国で初めて樹立された細胞株である。1971年,生後2年9ヵ月の男子剖検例の頸部リンパ腺転移を材料として,三宅ら1)により培養が開始された。初め,単層増殖する線維芽細胞上に腫瘍細胞が網眼状に付着したが,低濃度トリプシン液消化によって,腫瘍細胞の方が線維芽細胞より容易に剥離した結果,分離,継代に成功した1)。下記のように,この細胞が交感神経由来を示したことより,neuroblastoma cell line of human origin,NB-Ⅰと呼ばれるようになった。
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