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特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉 Ⅶ.その他の細胞株
トランスフォーム細胞
著者: 梅田誠1
所属機関: 1横浜市立大学木原生物学研究所
ページ範囲:P.524 - P.526
文献購入ページに移動 Earleらは,正常マウスの皮下組織よりの線維芽細胞に3-メチルコラントレン(3MC)処理を行い,トランスフォーム細胞を得た。すなわち,マウスへの戻し移植で腫瘍原性のあることが確かめられた。ところが,このときの3MC処理を行っていないコントロールの細胞も株化に成功したが,腫瘍原性を獲得していた1,2)。L細胞は3MC処理で得られた増殖率の良い細胞であり,clone929はL細胞からクローニングされたものである3)。
一般に,実験動物組織の細胞を培養すると,始めよく増殖し,あと増えなくなりそのまま絶えることが多い。ところが,細胞によっては増殖能が回復して再び増えるようになる。このとき,細胞はトランスフォーム(形態的形質転換)していることが多く,この現象を自然トランスフォーメーションと呼んでいる。このようなトランスフォーム細胞は,無限増殖,血清要求性低下,飽和密度上昇,軟寒天中でのコロニー形成,戻し移植での腫瘍形成などの性質をもつ。
一般に,実験動物組織の細胞を培養すると,始めよく増殖し,あと増えなくなりそのまま絶えることが多い。ところが,細胞によっては増殖能が回復して再び増えるようになる。このとき,細胞はトランスフォーム(形態的形質転換)していることが多く,この現象を自然トランスフォーメーションと呼んでいる。このようなトランスフォーム細胞は,無限増殖,血清要求性低下,飽和密度上昇,軟寒天中でのコロニー形成,戻し移植での腫瘍形成などの性質をもつ。
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