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特集 成長因子受容体/最近の進歩
文献概要
上皮成長因子(EGF)はアミノ酸53個から成るポリペプタイドであり,Cohenが1962年マウス顎下腺から分離した1)。EGFは上皮成長因子受容体(EGFR)と結合して上皮細胞の増殖を促進する。EGFRはc-erbB protooncogeneの産物であり2),悪性腫瘍,とくに扁平上皮癌細胞において増加していることが明らかになってきた3,4)。EGFRの増加はin vivoおよびin vitroにおいて腫瘍細胞の増殖を促進するので,EGFRは癌の発現に何らかの重要な役割をはたしていると考えられている。EGFRの定量はラジオイムノアッセイ法,サザンブロット法,ノーザンゾロット法などが用いられてきた。今回,喉頭粘膜のEGFRを免疫組織化学的に染色し,その病理組織学的病態との関係および半定量化することにより臨床的予後との関係を明らかにした5-7)ので解説する。
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