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特集 成長因子受容体/最近の進歩
TGFβ受容体のサブタイプとシグナル伝達
著者: 安井弥1 田原榮一1
所属機関: 1広島大学医学部第1病理教室
ページ範囲:P.596 - P.599
文献購入ページに移動TGFβは,分子量25,000のダイマー構造をとる蛋白であり,ヒトではそれぞれ約70%の相同性を有するTGFβ1-3の3種類が存在する1)。TGFβ1では,2.5Kb mRNAから390個のアミノ酸よりなる前駆体としてつくられ,ダイマーが形成された後にN端が切断され,112個のアミノ酸のダイマーである成熟型となる3)。一方,TGFβ受容体は,ヨード標識されたTGFβ1を用いたアフィニティーラベル法による検討から,Ⅰ型からⅢ型の3種類の存在が明らかにされている4)。TGFβ受容体の分子量は,Ⅰ型,Ⅱ型,Ⅲ型それぞれで,約55KDa,65~80KDa,260~300KDaであり,Ⅰ型とⅡ型は糖蛋白,Ⅲ型はプロテオグリカンといわれていたが,最近,Ⅲ型およびⅡ型受容体が相次いでクローニングされた。
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