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文献詳細

雑誌文献

生体の科学43巻6号

1992年12月発行

文献概要

特集 成長因子受容体/最近の進歩

骨芽細胞の増殖におけるPGFとIGF-I受容体

著者: 羽毛田慈之1 久米川正好1

所属機関: 1明海大学歯学部口腔解剖学第1講座

ページ範囲:P.605 - P.609

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 骨組織は,生体内のカルシウム代謝を司る重要な器官であると同時に,生体の支持および運動機能においても重要な役割を演じている。それら骨の器官としての役割を果たすために,骨組織は常に,一定の量的平衡関係を保った骨吸収と骨形成を繰り返している。この一連の新陳代謝を骨リモデリングと呼ぶ。この骨リモデリングは,破骨細胞などの骨吸収系細胞と骨芽細胞を中心とした骨形成系細胞の協同作用によって遂行される。そして,近年,これら細胞間相互作用を仲介する,多くのサイトカインなどの局所因子の同定および骨代謝への作用が盛んに研究されている。現在解明されている骨代謝を調節する局所因子だけで10数種類にも及ぶ。そして,それら局所因子の中でプロスタグランジン(PG)は,骨吸収・骨形成の両面にわたって大きく作用することが明らかにされてきた、骨組織におけるPGの主な産生細胞が骨芽細胞である。そして,PGはautocrinc/paracrine的に骨芽細胞に作用し,骨形成はもとより,骨吸収をも間接的に調節する。すなわち,PGの骨芽細胞への作用が骨代謝全体に対して大きな影響を及ぼす。本稿では,その骨芽細胞へのPGを著者らの研究を中心に述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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