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文献詳細

雑誌文献

生体の科学44巻2号

1993年04月発行

文献概要

特集 蛋白質の細胞内転送とその異常

分泌顆粒の細胞内輸送と細胞骨格

著者: 佐々木貞雄1 中垣育子2 堀清記1 坂口文吾3

所属機関: 1兵庫医科大学第一生理学教室 2大阪医科大学第一生理学教室 3九州大学農学部

ページ範囲:P.116 - P.122

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はじめに
 分泌顆粒を豊富に有する分泌腺細胞は主として蛋白質からなる分泌物を合成し,それをイオン,水とともに分泌顆粒の形に包装し,これを細胞膜の近くにまて細胞内輸送し,最後に開口放出によって細胞外に放出する。この一連の過程を分泌といい,きわめて一般的な細胞活動の一つとなっている。具体的には分泌蛋白質は腺細胞の粗面小胞体において合成され,滑面小胞体を経由してGolgi体に運ばれる。この小胞体―Golgi体間の輸送を仲介するのは,小胞体の膨出によって形成される輸送小胞(Golgi小胞)である。Golgi体のシス側(形成面ともいう)で輸送小胞は相互に融合してGolgi層板を作る。分泌物は通常層板の周辺部に集まり,しだいにトランス側(成熟面ともいう)に移動しここで濃縮を受けて分泌顆粒となる。このGolgi層板を経由しての輸送小胞の動きは層板を貫いて走る微小管に沿って行なわれると考えられている。この間,Golgi体では分泌物のペプチド鎖あるいは糖鎖のプロセシングが行なわれる。Golgi体で形成された分泌顆粒はGolgi体から腺腔に面する細胞膜近傍,すなわち細胞頂部に主として微小管(microtubule)よりなる細胞骨格系によって速やかに細胞内輸送される3-5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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