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特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
細胞内Ca2+放出機構研究の新局面
著者: 飯野正光1
所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.192 - P.197
文献購入ページに移動はじめに
骨格筋の収縮制御機構として発見された細胞内Ca2+ストアからのCa2+放出機構は,筋細胞に限らずほとんどすべての細胞に類似の機構が存在して,それぞれの細胞の機能制御に関与していることが明らかになってきた。Ca2+ストアに存在するCa2+放出チャネルには,Ca2+によるCa2+放出(Ca2+-induced Ca2+release,CICR)チャネルと,イノシトール三燐酸(IP3)チャネルの2種類がある。細胞によって,どちらか一方だけが存在していることもあるし,両方のチャネルとも発現していることもある。2種のチャネルには,一次構造の部分的な相同性の他に,ともに4量体としてチャネルを形成するなど驚くほど似かよった面がある。機能的にも,類似性が認められる。本稿では,これらのCa2+チャネルがどのような制御のもとに機能しているのかについて,基本的な事項に関しては以前の総説1)にゆずって,とくに最近の進展についてまとめてみたい。
骨格筋の収縮制御機構として発見された細胞内Ca2+ストアからのCa2+放出機構は,筋細胞に限らずほとんどすべての細胞に類似の機構が存在して,それぞれの細胞の機能制御に関与していることが明らかになってきた。Ca2+ストアに存在するCa2+放出チャネルには,Ca2+によるCa2+放出(Ca2+-induced Ca2+release,CICR)チャネルと,イノシトール三燐酸(IP3)チャネルの2種類がある。細胞によって,どちらか一方だけが存在していることもあるし,両方のチャネルとも発現していることもある。2種のチャネルには,一次構造の部分的な相同性の他に,ともに4量体としてチャネルを形成するなど驚くほど似かよった面がある。機能的にも,類似性が認められる。本稿では,これらのCa2+チャネルがどのような制御のもとに機能しているのかについて,基本的な事項に関しては以前の総説1)にゆずって,とくに最近の進展についてまとめてみたい。
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