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特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
新しいカルシウム結合蛋白質:カルレチニン(Calretinin)
著者: 山口知子1
所属機関: 1東京女子医科大学生化学教室
ページ範囲:P.243 - P.244
文献購入ページに移動 近年遺伝子クローニング技術の発展に伴って,一つの遺伝子配列が解明されると同族分子の存在が遺伝子レベルで見いだされ,発現蛋白の探索によって新しい分子が同定されるという流れで,多くの未知蛋白の存在が明らかとなってきている1-3)。カルレチニンもその一つでカルモジュリン4)の同族分子であり,ニワトリの網膜からcDNAとしてJ. H. Rogers3)によって単離され,29kD蛋白を発現していることが分りカルレチニンと命名された。
この分子はEF-ハンド5)をもつカルシウム結合蛋白として進化してきたカルモジュリンの分子の仲間である。図に示すようにカルレチニンはEF-ハンド遺伝子の重複により発生し,カルシウムを1分子当たり5ケ(4~6ケ)結合している蛋白であり,すでにクローニングされているカルビンディンD28k6)にもっとも近い分子相同性がある。
この分子はEF-ハンド5)をもつカルシウム結合蛋白として進化してきたカルモジュリンの分子の仲間である。図に示すようにカルレチニンはEF-ハンド遺伝子の重複により発生し,カルシウムを1分子当たり5ケ(4~6ケ)結合している蛋白であり,すでにクローニングされているカルビンディンD28k6)にもっとも近い分子相同性がある。
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