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文献詳細

雑誌文献

生体の科学44巻3号

1993年06月発行

文献概要

特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点

新しいカルシウム結合蛋白質:ビジニン(Visinin)

著者: 山形要人1 三木直正2

所属機関: 1ジョンスホプキンス大学医学部神経科学 2大阪大学医学部第一薬理学教室

ページ範囲:P.245 - P.246

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 ビジニンvisininは,1983年に筆者らの研究室でニワトリ網膜に特異的な,24kDaの可溶性蛋白質として見いだされた1)。その特異抗体を用いた免疫組織化学的研究から,この蛋白質が種々の動物種の網膜錐体細胞(視細胞の一つ)に特異的に発現していることが分かった2)。また,ビジニンは視細胞の分化に伴い,その量が増加していくことから,光変換に関与していることが予想された。そこで筆者らは,ニワトリ網膜cDNAライブラリーを作製し,特異抗体を用いて,ビジニンcDNAをクローニングした3)。このcDNAは,192個のアミノ酸からなる,3個のEFハンドを持つ新しいCa結合蛋白質をコードしていた。ビジニンを大腸菌で作らせ,45Caブロティング法により,ビジニンがCa結合蛋白質であることも証明した。
 また,ノーザンおよびin situハイブリダイゼーション法より,ビジニンmRNAが網膜視細胞層に特異的に発現していることが分かった。また,光受容機能を持つ松果体でもビジニン陽性細胞が見られ,その数が光刺激によって増加すること4)から,ビジニンは光変換に関与している新しいCa結合蛋白質であろうと結論づけた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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