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解説
Ca結合サイトとはどういうものか
著者: 矢沢道生1
所属機関: 1北海道大学理学部化学第二学科
ページ範囲:P.260 - P.269
文献購入ページに移動はじめに
カルシウムイオン(Ca2+)は,生体内での多様な反応に関与している。多くの場合,Ca2+の機能は,Ca2+結合蛋白質と呼ばれる蛋白質への結合を介して発揮されている。蛋白質分子内でのCa2+の役割の代表的なものとして,次の3つがあげられる。(1)蛋白質が機能するときに必要な高次構造を安定化する。(2)それにとどまらず,基質分子の化学結合を活性化するなど,酵素の触媒作用にも積極的に参加する。(3)蛋白質の高次構造を可逆的に変えて,細胞内反応開始の引金とする。
基本的には,これらはいずれも,蛋白質分子の一次構造上のいろいろな領域にあるアミノ酸残基をCa2+のまわりに集めて,それぞれの目的に合った高次構造をつくることによって達成されているので,Ca2+結合サイトの構造の詳細を知ることが作用機構の解明に役立つと考えられる。
カルシウムイオン(Ca2+)は,生体内での多様な反応に関与している。多くの場合,Ca2+の機能は,Ca2+結合蛋白質と呼ばれる蛋白質への結合を介して発揮されている。蛋白質分子内でのCa2+の役割の代表的なものとして,次の3つがあげられる。(1)蛋白質が機能するときに必要な高次構造を安定化する。(2)それにとどまらず,基質分子の化学結合を活性化するなど,酵素の触媒作用にも積極的に参加する。(3)蛋白質の高次構造を可逆的に変えて,細胞内反応開始の引金とする。
基本的には,これらはいずれも,蛋白質分子の一次構造上のいろいろな領域にあるアミノ酸残基をCa2+のまわりに集めて,それぞれの目的に合った高次構造をつくることによって達成されているので,Ca2+結合サイトの構造の詳細を知ることが作用機構の解明に役立つと考えられる。
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