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非放射性PCR-SSCP法の開発とその応用
著者: 安倍敏彦1 中島利博1 青野浩之1 西岡久寿樹1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター臨床遺伝部門
ページ範囲:P.270 - P.274
文献購入ページに移動近年,分子生物学のいちじるしい発展に従い,種々の疾患の病態生理が遺伝子レベルで解明され,さらに一部の疾患では遺伝子治療も試みられつつある。たとえば筋ジストロフィーのようにこれまで長年の経験を積んだ専門医のみが症候学的に診断可能であった疾患が,遺伝子工学を応用した臨床検査により容易かつ迅速に診断可能となってきている。今後,この傾向はますます顕著となり,遺伝子レベルでの臨床検査診断学の重要性はより一層高まることが予想される。
その中でも,国立がんセンターのOritaら1)により開発されたpolymerase chain reaction-single strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法は,塩基変異を容易に検出できる注目すべき方法である。したがって,遺伝子の突然変異により引き起こされる遺伝子疾患などの診断,治療に今後非常に有用な検査方法になる可能性が考えられる。
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