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特集 細胞接着
神経芽細胞移動に関与する細胞接着蛋白
著者: 植村慶一1 阿相皓晃1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.291 - P.298
文献購入ページに移動 高次神経機能の発現には,精密な神経回路のネットワークを持つ形態形成が必要である。神経系の形態形成は①神経芽細胞,グリア芽細胞の増殖,分化,②神経芽細胞の移動,③神経細胞の発育,④シナプス形成,⑤ミエリン形成の過程に分けられる(図1)。これらの時間的,空間的な各段階には種々の遺伝的因子群と環境因子群が複雑に影響を与えている。最近の神経発生生物学の目覚しい進展によって,これらの因子群の構造と機能が次第に明らかにされつつある。本稿では神経系の形態形成の諸過程のうち,神経芽細胞の移動に関与する接着性膜蛋白について解説を試みた。
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