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連載講座 新しい観点からみた器官
味覚器-味覚における甘味受容機構研究の新しい展開
著者: 二ノ宮裕三1 井元敏明2 日地康武2
所属機関: 1朝日大学歯学部口腔生理学教室 2鳥取大学医学部第一生理学教室
ページ範囲:P.365 - P.373
文献購入ページに移動ところが,広く生物界をみてみれば明らかなように,味覚や嗅覚などのいわゆる化学感覚は,個体の維持ばかりでなく種の保存にとっても大きな役割を果たしている。味覚についていえば,摂取すべき食物の選択,不必要または害となる物質からの忌避行動を引きおこす直接の情報をもたらす一方,その情報は自律神経系を介して,消化液やホルモンの分泌を調節している。このような認識からすれば,味覚の研究はもっと進んでもよさそうに思われるが,他の感覚に比べると,その華々しさにおいて,また分子レベルでの理解において随分と遅れているようにみえる。
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