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実験講座
核骨格の調製法
著者: 筒井研1
所属機関: 1岡山大学医学部分子細胞医学研究施設病態分子生物学部門
ページ範囲:P.389 - P.395
文献購入ページに移動 核骨格とは分裂間期細胞核に認められる骨格様構造で,主としてタンパク質からなる(調製法によってはかなりの量のRNAを含む)。核骨格はDNAをつなぎ止める足場となっているほか,DNAの複製,転写,組換え,RNAプロセシングなど広範な核機能との関連が指摘されており,いろいろな分野の研究者から注目されている(核骨格についての詳細は最近の総説1,2)を参照されたい)。
しかし,核骨格は生理的構造ではなく人工産物ではないかという議論がつねに絶えないことも事実である。その理由のひとつとして,材料に用いる組織や細胞,核の分離法,核成分を抽出する過程で用いる界面活性剤やヌクレアーゼなどが研究者ごとに違うため,得られる標品の組成や生理活性が一定していないことが挙げられる。用いられる名称もnuclear matrix,nuclear scaffold,nuclear cage,nucleoskeleton,nuclear ghostなどさまざまで,厳密にいえばどれひとつとして内容的に同じものはないし,コンセンサスが得られた統一的名称も決まっていない。
しかし,核骨格は生理的構造ではなく人工産物ではないかという議論がつねに絶えないことも事実である。その理由のひとつとして,材料に用いる組織や細胞,核の分離法,核成分を抽出する過程で用いる界面活性剤やヌクレアーゼなどが研究者ごとに違うため,得られる標品の組成や生理活性が一定していないことが挙げられる。用いられる名称もnuclear matrix,nuclear scaffold,nuclear cage,nucleoskeleton,nuclear ghostなどさまざまで,厳密にいえばどれひとつとして内容的に同じものはないし,コンセンサスが得られた統一的名称も決まっていない。
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