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文献詳細

雑誌文献

生体の科学44巻5号

1993年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説 1.細胞生物学

細胞周期

著者: 岸本健雄1

所属機関: 1東京工業大学生命理工学部生体機構学科

ページ範囲:P.442 - P.445

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概説
 細胞の複製にとっての細胞周期上のキーポイントは,G1期中でG0期ではなくS期に向かうことを決定するスタート(regstriction)点1),G1/S期移行点,およびG2/M期移行点である。これらの通過を制御する主因子群は,CDKs(cyclin-dependent[cdc 2-related]kinases,サイクリン依存性[cdc 2関連]キナーゼ群)であると最近判明してきている(図1)。これはM期制御因子であるサイクリンB・cdc 2複合体(cycB・cdc2;cdc2キナーゼ)に始まるが,その前には,歴史的には3つのまったく独立した研究の流れ―MPF,cdc2,サイクリン―があった2-4)
 MPF:カエルなどの動物卵の成熟誘起に際し、卵成熟誘起ホルモンの卵表での効果を卵細胞質中で核に仲介する活性として,MPF(maturation-promoting factor,卵成熟促進因子)は同定された(Y. Masui,1971)。その後1980年頃には,MPFは,分類上の門や減数分裂と体細胞型分裂との違いをこえて,全真核細胞に普遍的なM期誘起因子(M-phase promoting factor)であることが確かとなった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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