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特集 現代医学・生物学の仮説・学説 2.分子生物・遺伝学
DNAの再編成(腫瘍系)
著者: 下方薫1 関戸好孝1
所属機関: 1名古屋大学医学部第一内科
ページ範囲:P.462 - P.463
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プロトオンコジーンが発がん遺伝子に変化する機序には,遺伝子の増幅,点突然変異,挿入・欠失,転座があげられる。造血器腫瘍において,染色体の相互転座による遺伝子の再編成が発がんに重要な役割を果たしていることが明らかにされている。
その代表例として慢性骨髄性白血病がある。この疾患では,第9染色体に存在するc-abl遺伝子が第22染色体上のbcr遺伝子部分に転座している。この転座に際して遺伝子の再編成がおこり融合遺伝子(bcr/abl)が形成され,チロシンキナーゼ活性の上昇につながる。しかし固形腫瘍における遺伝子の再編成がオンコジーンの活性につながるとの知見はいまだ少ない。固形腫瘍ではp53やRbなどのがん抑制遺伝子が主役を演じ,mycやrasなどのオンコジーンはむしろ従属的な役割をしていると考えられる。
プロトオンコジーンが発がん遺伝子に変化する機序には,遺伝子の増幅,点突然変異,挿入・欠失,転座があげられる。造血器腫瘍において,染色体の相互転座による遺伝子の再編成が発がんに重要な役割を果たしていることが明らかにされている。
その代表例として慢性骨髄性白血病がある。この疾患では,第9染色体に存在するc-abl遺伝子が第22染色体上のbcr遺伝子部分に転座している。この転座に際して遺伝子の再編成がおこり融合遺伝子(bcr/abl)が形成され,チロシンキナーゼ活性の上昇につながる。しかし固形腫瘍における遺伝子の再編成がオンコジーンの活性につながるとの知見はいまだ少ない。固形腫瘍ではp53やRbなどのがん抑制遺伝子が主役を演じ,mycやrasなどのオンコジーンはむしろ従属的な役割をしていると考えられる。
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