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特集 現代医学・生物学の仮説・学説 4.シグナル伝達系
レセプター
著者: 春日雅人1
所属機関: 1神戸大学医学部第二内科
ページ範囲:P.530 - P.533
文献購入ページに移動各種の生物活性物質は,レセプター(受容体)とよばれる蛋白質と特異的に結合することにより,その作用を伝達し発現する。すなわちレセプターは,リガンドと特異的に結合しその情報を伝達するという機能を有する。形質膜(plasma membrane)を自由に通過することのできるステロイド,甲状腺ホルモンあるいはビタミンAやDなどは細胞内に存在する受容体と結合してその作用を発現する。一方,形質膜を自由に通過することのできないペプチドホルモンなどは形質膜上に存在する受容体に結合し,その作用を細胞内へ伝達する。
レセプターという概念は1900年の初期から提唱されていたが,その実体が徐々に明らかにされるようになってきたのは,ラジオアイソトープを用いた技術が開発された1970年以降であった。すなわち,リガンドを各種のラジオアイソトープで標識して各種膜標本や細胞との特異的結合を測定し,ラジオアイソトープのカウントとしてレセプターの存在が捉えられるようになった。その後,このラジオアイソトープのカウントを指標としてレセプターのregulationや病的状態における変化が明らかとなった。このラジオアイソトープの特異的結合を指標として,レセプターの純化が試みられたが,可溶化の問題や量的問題があり成功までには時間を要した。
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