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特集 現代医学・生物学の仮説・学説 5.神経科学
シナプス可塑性
著者: 津本忠治1
所属機関: 1大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター高次神経医学部門
ページ範囲:P.540 - P.543
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神経細胞同士の継ぎ目であるシナプスに一定の信号が通ったり,あるいは他と連合した信号が入るとそのシナプスの伝達効率が変化することがある。この現象をシナプス伝達の可塑性あるいは単にシナプス可塑性とよんでいる。とくに,この変化が長時間持続する場合はシナプス伝達の長期増強あるいは長期抑圧とよばれ,記憶・学習の素過程あるいは環境に対する適応的脳機能変化の基礎過程であろうと考えられている1,2)。
このような可塑性シナプスの概念を最初に明確な形で提唱したのはHebbである。彼は,シナプス前線維が興奮したときに一致してシナプス後細胞が反応すれば,そのシナプスの伝達効率は増強するとした(図1A)。このような可塑性シナプスをヘッブシナプスとよぶ。
神経細胞同士の継ぎ目であるシナプスに一定の信号が通ったり,あるいは他と連合した信号が入るとそのシナプスの伝達効率が変化することがある。この現象をシナプス伝達の可塑性あるいは単にシナプス可塑性とよんでいる。とくに,この変化が長時間持続する場合はシナプス伝達の長期増強あるいは長期抑圧とよばれ,記憶・学習の素過程あるいは環境に対する適応的脳機能変化の基礎過程であろうと考えられている1,2)。
このような可塑性シナプスの概念を最初に明確な形で提唱したのはHebbである。彼は,シナプス前線維が興奮したときに一致してシナプス後細胞が反応すれば,そのシナプスの伝達効率は増強するとした(図1A)。このような可塑性シナプスをヘッブシナプスとよぶ。
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