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文献詳細

雑誌文献

生体の科学44巻5号

1993年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説 5.神経科学

注意

著者: 三上章允1

所属機関: 1京都大学霊長類研究所行動神経研究部門

ページ範囲:P.556 - P.557

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概説
 心理学においては,同時に存在するいくつかの認知や思考の対象のうち1つに意識の焦点を合わせ,それを明瞭にとらえることを「注意」と定義している(Willam James,1891)。われわれを取りまく環境の物理的要素は多種多様であり,しかも刻々と変化している。このような環境の物理条件の変化は,感覚系によってたえず受容されている。しかし,それらのうちで意識にのぼるのはほんの一部である。注意はこのような多くの情報から必要な情報を選択する過程にかかわっており,そのためしばしば選択的注意selective attention,あるいは焦中的注意focal attentionとよばれることもある。ここではまず,選択的注意についての心理学者の仮説をいくつか紹介し,生理学の立場からその問題点を指摘しよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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