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文献詳細

雑誌文献

生体の科学44巻5号

1993年10月発行

文献概要

特集 現代医学・生物学の仮説・学説 6.免疫学

移植免疫

著者: 岡隆宏1 吉村了勇1

所属機関: 1京都府立医科大学第二外科

ページ範囲:P.584 - P.585

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概説
 主要組織適合抗原系:移植免疫の発現には組織適合抗原(histocompatibility antigen=移植抗原)が重要な役割を担っている。移植抗原を規定する組織適合遺伝子座は単一ではなく,マウスでは現在少なくとも30以上の遺伝子座があり,それぞれ移植抗原を支配している。さらに,このなかで強く移植抗原を支配する遺伝子座が1つだけ存在し,これを主要組織適合性抗原系(major histocompatibility system)といい,これを支配する遺伝子領域を主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex:MHC)とよんでいる。
 ヒトのMHCであるHLA抗原は,白血球膜抗原として発見された。現在では,クラスⅠ,Ⅱ抗原に分類され,クラスⅠ抗原はキラーT細胞の誘導に,クラスⅡ抗原は細胞間相互作用,抗原認識の拘束分子として重要なはたらきを担っている。クラスⅠ抗原にはHLA-A,-B,-Cが,クラスⅡ抗原にはHLA-D,DR,DQ DPの各抗原が知られており,最近ではDNAタイピングなど遺伝子レベルでの検討がなされてきている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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