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特集 現代医学・生物学の仮説・学説 6.免疫学
線溶
著者: 高田明和1 高田由美子1
所属機関: 1浜松医科大学第二生理学教室
ページ範囲:P.588 - P.589
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線溶(fibrinolysis)は血中に存在するプラスミノーゲン(plasminogen:plg)から生成されたプラスミン(plasmin:pl)によりフィブリン(fibrin:fn)が分解される現象である。とくに心筋梗塞や脳梗塞の際に血管内に凝血塊ができ,これをすみやかに溶解することが有効な治療法であることが見出され,最近基礎,臨床の領域で線溶の研究は著しい進歩をみたことは衆知の事実である。
しかし,一方,線溶系酵素のウロキナーゼ(u-PA)や,その阻害物質のplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)やPAI-2が腫瘍の増殖,転移に関係していることが見出され,近年むしろ細胞外基質(matrix)のタンパク分解の研究が線溶研究の主流になりつつある。
線溶(fibrinolysis)は血中に存在するプラスミノーゲン(plasminogen:plg)から生成されたプラスミン(plasmin:pl)によりフィブリン(fibrin:fn)が分解される現象である。とくに心筋梗塞や脳梗塞の際に血管内に凝血塊ができ,これをすみやかに溶解することが有効な治療法であることが見出され,最近基礎,臨床の領域で線溶の研究は著しい進歩をみたことは衆知の事実である。
しかし,一方,線溶系酵素のウロキナーゼ(u-PA)や,その阻害物質のplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)やPAI-2が腫瘍の増殖,転移に関係していることが見出され,近年むしろ細胞外基質(matrix)のタンパク分解の研究が線溶研究の主流になりつつある。
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