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特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
分析カラー蛍光電子顕微鏡によるステロイド産生細胞の観察
著者: 小川和朗1
所属機関: 1京都大学
ページ範囲:P.648 - P.654
文献購入ページに移動 走査電子顕微鏡(scanning electron microscope,SEM)は,ナノメーター(nm)のオーダーまできわめて細く絞った電子線で試料表面を走査し,試料面から発生する二次電子(secondary electron,SE),反射電子(back scattered electron),Auger電子,X線,カソードルミネッセンス(cathodoluminescence,CL)などの信号から,試料に関するいろいろな情報を得ることができる。これらの信号のなかで,CLは,すでに1955年からSEMによる分析手段として確立されており1),物理学,半導体などの領域では広く応用されていたが,医学生物学の分野では,CLが信号としては非常に微弱な信号であることおよび電子線照射により容易に損傷を受け(電子線損傷 beam effect),CLが変化あるいは消退(fading Phenomenon)することなどの難点により,なかなか実用に供されなかった。
われわれはこれらの難点を克服し,CLを分光分析するとともに,カラーで解析しうる走査電子顕微鏡,すなわち分析カラー蛍光電子顕微鏡(analytical color fluorescence electron microscope,ACFEM)を開発し,医学生物学の諸分野で応用してきた2-9)。
われわれはこれらの難点を克服し,CLを分光分析するとともに,カラーで解析しうる走査電子顕微鏡,すなわち分析カラー蛍光電子顕微鏡(analytical color fluorescence electron microscope,ACFEM)を開発し,医学生物学の諸分野で応用してきた2-9)。
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