icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学44巻6号

1993年12月発行

文献概要

話題

神経疾患の遺伝子治療

著者: 青崎敏彦1

所属機関: 1Dept of Brain and Cognitive Science, M.I.T.

ページ範囲:P.734 - P.736

文献購入ページに移動
 最近の遺伝子導入技術の進歩にはまったく目を見張るものがある。最初に人に遺伝子治療の試みがなされたのは1990年の9月,アデノシンデアミナーゼ欠損症患者に対してであったが,それからまだ3年も経たないうちに,すでに種々の進行癌(脳腫瘍,肺癌,腎癌,卵巣癌など)や肝臓疾患,嚢胞性肺線維症ひいてはAIDSに対する遺伝子治療が現実味を帯びたものとなってきている2,13,15)。米国では遺伝子治療専門の研究センターがミシガン大学やピッツバーグ大学に次々と設立され,さらに遺伝子治療を専門とする企業が雨後の竹の子のように活動を開始した。遺伝子治療研究を対象とした研究誌も今年中には3誌を数えることになりそうである。本稿では神経疾患に対する遺伝子治療の現状について,私の見聞した範囲で概観してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?