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特集 グルコーストランスポーター
グルコーストランスポーターの分布と機能的意義
著者: 高田邦昭1
所属機関: 1群馬大学内分泌研究所形態学部門
ページ範囲:P.23 - P.28
文献購入ページに移動 リン脂質の二重層を基本構造とする生体膜は,基本的にはグルコースのような極性をもった分子をほとんど透過させない。グルコーストランスポーター(glucose transporter,糖輸送体)は,このような生体膜における糖の膜通過に関与する輸送蛋白である1-4)。糖の濃度勾配に依存してその通過を促進する促進拡散型のグルコーストランスポーターは,笠原らによって1977年ヒト赤血球膜から抽出され,蛋白として同定された5)。1985年にはLodishの研究室で,そのcDNAの同定と解析からアミノ酸配列が明らかにされた6)。後にGLUT1とよばれるようになったこのヒト赤血球膜グルコーストランスポーターをはじめとして,現在では,GLUT1~GLUT7のアイソフォームが知られている1-4)。
一方,小腸や腎臓では,糖は濃度勾配に逆らって輸送されるのが知られている。これはNa+濃度勾配に依存してNa+とグルコースが一緒に輸送される一種のコトランスポート(cotransport)で,このような能動輸送型のグルコーストランスポーターについては,Wrightの研究室で,expres-sion cloningの手法によりそのcDNAが同定された7,8)。
一方,小腸や腎臓では,糖は濃度勾配に逆らって輸送されるのが知られている。これはNa+濃度勾配に依存してNa+とグルコースが一緒に輸送される一種のコトランスポート(cotransport)で,このような能動輸送型のグルコーストランスポーターについては,Wrightの研究室で,expres-sion cloningの手法によりそのcDNAが同定された7,8)。
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