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特集 グルコーストランスポーター
脳タイプのグルコーストランスポーター
著者: 永松信哉1 中道洋子1 佐和弘基2
所属機関: 1杏林大学医学部生化学教室 2杏林大学医学部脳外科
ページ範囲:P.32 - P.37
文献購入ページに移動グルコースは,分子量180とはいえ極性分子であるため,リン脂質の二重層である細胞膜を速やかに通過することはできない。つまり脳神経細胞における糖代謝の第一段階は,細胞膜上に存在する特異的な担体蛋白質,すなわちグルコーストランスポーター(glucose transporter糖輸送担体)に細胞外の糖が結合し,細胞内へ輸送されることである。現在,2種類のglucoseの細胞膜輸送機構が知られている。第1は,Na+輸送と同時にglucoseをその濃度勾配に逆らって能動輸送するエネルギー依存性のNa+/グルコース共輸送で,SGLTとよばれるものである1)。第2は,細胞内外のグルコースの濃度差のみに依存する促通拡散型輸送で,これは,少なくともGLUT1~5までのisoformが生体内の各種臓器組織に広く分布していることが明らかとなってきた2,3)。
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