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研究のあゆみ
私の神経伝達物質研究をふり返って
著者: 大塚正徳1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.98 - P.109
文献購入ページに移動 私は平成6年3月を以って東京医科歯科大学を定年退官することになった。大学を卒業以来40年の研究生活のうち30年を伝達物質研究に費やしたことになる。最近,学生実習のときなど学生から「先生の御専門は神経伝達物質だそうですが,何をなさったのですか」などときかれて思わずたじろぐことがある。しかし科学者の任務は,1)文化の継承と2)新たなる開拓の二つであって,それは共同作業であり,オリンピックと同じように参加することにも意義があるのではなかろうか。私のような平凡な科学者が回顧談を書くことには躊躇を感じない訳にはいかないが,長い研究生活をふり返って,迷い,悩み,時には喜びを含めた思考過程を,編集委員,編集同人として縁のあった「生体の科学」に書かせて頂くことにした。
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