文献詳細
文献概要
特集 脳と分子生物学
脳神経研究におけるジーンターゲティング法の現状
著者: 八木健1
所属機関: 1岡崎国立共同研究機構生理学研究所生体情報研究系高次神経機構部門
ページ範囲:P.121 - P.125
文献購入ページに移動ヒトを含む動物のさまざまな合目的性をもった行動様式はファーブルやローレンツなど多くの人々に興味を与え,数多くの研究の対象となってきた。動物の個体や種の生存に対し合目的にみえる行動がどのように形成されてきたのか?また,脳が司る認知・情動・運動・記憶(学習)・意識がどのようにして形成され機能しているのか?は脳研究の中心的なテーマである。どのように生みだされてきたか?という問いかけは,もちろん系統発生および個体発生的側面を合わせもち,その答えも双方の側面を合わせもつことばとして語られる必要がある。また,行動を司る脳は多様性,複雑性,可塑性に富んでいる器官であり,莫大で長期にわたる淘汰圧により進化してきた器官であるが,種や系統間で遺伝的によく保存されている。
掲載誌情報