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特集 脳と分子生物学
神経細胞の最初期遺伝子
著者: 山形要人1
所属機関: 1大阪大学医学部第1薬理学教室
ページ範囲:P.139 - P.144
文献購入ページに移動中枢神経系は,神経間の非常に正確なシナプス結合によって機能しているが,その過程をみてみると,成長円錐がまず正しい経路を探し,標的神経に到達した後,シナプスを形成する。ここまでは,遺伝的にプログラムされており,神経活動とは無関係である。しかし,その後,NMDAリセプターなどを介する神経活動によってシナプスの再構築がおこり,より機能的なシナプス回路が形成されると考えられる5)。このシナプス活動依存性の神経の可塑性は生後も続き,長期記憶の保持に必要と考えられる。このように神経は,シナプス活動によって,解剖学的,機能的特性を変える。最近の研究で,細胞の外からの刺激(神経伝達物質や成長因子)が,遺伝子発現のカスケードを活性化し,長時間の細胞応答,すなわち新しいシナプス結合を生じると考えられる。
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