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特集 脳と分子生物学
文献概要
神経伝達物質受容体に関する分子生物学的研究は,1980年代に沼らのグループを中心に行われたアセチルコリン(ACh)受容体のクローニングとアフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞発現系を用いた分子構造と機能に関する研究1)を先駆けとして,近年著しい進展をとげた。現在までにcDNAクローニングにより,タンパク質の一次構造が推定されている中枢神経系の伝達物質受容体を表1に要約した。これらの受容体は,受容体とイオンチャネルが複合体を形成していて伝達物質が受容体に結合することによりイオンチャネルの閉開が直接制御されるイオンチャネル型受容体と,受容体とこれによって調節を受ける効果器が別個の分子であり,伝達物質が受容体に結合するとGタンパク質を介して効果器の活性が調節される代謝調節型受容体に大別される。
本稿では紙数の制限もあり,イオンチャネル型受容体のうち,中枢神経系の最も主要な伝達物質であるグリシン,GABA,グルタミン酸に対する受容体チャネルに関連する最近の分子生物学的研究の成果について述べることにする。
本稿では紙数の制限もあり,イオンチャネル型受容体のうち,中枢神経系の最も主要な伝達物質であるグリシン,GABA,グルタミン酸に対する受容体チャネルに関連する最近の分子生物学的研究の成果について述べることにする。
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