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第19回北米神経科学大会 神経伝達物質放出機構をめぐる話題
著者: 山口和彦1
所属機関: 1杏林大学医学部第2生理学教室
ページ範囲:P.203 - P.204
文献購入ページに移動 第19回北米神経科学大会は昨年11月7日から12日までワシントンDCで開かれ,演題数は1万題以上,参加者は2万人以上と相変わらずの盛会であった。あまりにも巨大な学会であるため,とても全貌をつかむことはできないが,アルツハイマー病の病因をめぐるトピックスと伝達物質放出機構をめぐる話題は,全体の中でとくに今回関心を集めた最もホットな分野であったように思われる。そこで伝達物質放出をめぐる話題についてシンポジウムでの講演を中心に紹介してみたい。
この分野は1960年代のKatz, MilediらのCa説以来,しばらく大きな進展がみられなかったが,最近1-2年の間にシナプス顆粒に存在している蛋白質の生化学的研究が急速に進み,次々にシナプス顆粒蛋白質のDNA塩基配列が決定され,さらにそれらの蛋白質と結合する新たな放出関連蛋白質が発見される,といった具合に連鎖反応的に研究が進み,神経伝達物質放出の分子的理解がそう遠くない,という期待が高まっている。
この分野は1960年代のKatz, MilediらのCa説以来,しばらく大きな進展がみられなかったが,最近1-2年の間にシナプス顆粒に存在している蛋白質の生化学的研究が急速に進み,次々にシナプス顆粒蛋白質のDNA塩基配列が決定され,さらにそれらの蛋白質と結合する新たな放出関連蛋白質が発見される,といった具合に連鎖反応的に研究が進み,神経伝達物質放出の分子的理解がそう遠くない,という期待が高まっている。
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