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文献詳細

雑誌文献

生体の科学45巻3号

1994年06月発行

文献概要

特集 染色体

染色体構築に関与する蛋白質

著者: 金田安史1 金田能尚1 佐藤学1 木下勝就1 金田真理1 田中亀代次1

所属機関: 1大阪大学細胞生体工学センター

ページ範囲:P.233 - P.238

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 細胞周期において分裂期は最もダイナミックな変化がおこるステージである。遺伝情報は染色体の中にパッケージされ次の世代に伝えられるとともに,核蛋白質はラミンのように細胞質に飛散したり,ヒストンのように染色体上に局在したりしながら,分裂期の終了に伴って再び核を構築するために機能する。染色体の構築機構の解析は,したがって,遺伝情報の維持機構の解明とともに,核の構築機構の解明の糸口となるであろう。
 現在までに染色体構築の研究は分裂酵母の変異株を用いた系が最も進んでおり,その変異を相補する因子を分離し,それとホモロジーを有する高等動物の蛋白質を同定することにより,高等動物における染色体構築の最も基本的な理解がある程度なされるようになった。それでもなお,その高次構造に関する知見は乏しいといえるだろう。その理由は,高次構造を解明するin vitro系の開発が遅れていたことと,高次構造を司る核蛋白質の解析がことに高等動物において乏しかったためであろう。in vitro系についてはアフリカツメガエル卵の抽出液を用いた系が開発されてきている1)。構築蛋白については,BHK21の温度感受性変異株の分構とそれを用いた相補遺伝子の単離(RCC1)2)や,ヒト自己抗体を用いた一群のセントロメア構築因子の単離3-5)などが成果をあげている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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