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特集 染色体
染色体構築に関与する蛋白質
著者: 金田安史1 金田能尚1 佐藤学1 木下勝就1 金田真理1 田中亀代次1
所属機関: 1大阪大学細胞生体工学センター
ページ範囲:P.233 - P.238
文献購入ページに移動現在までに染色体構築の研究は分裂酵母の変異株を用いた系が最も進んでおり,その変異を相補する因子を分離し,それとホモロジーを有する高等動物の蛋白質を同定することにより,高等動物における染色体構築の最も基本的な理解がある程度なされるようになった。それでもなお,その高次構造に関する知見は乏しいといえるだろう。その理由は,高次構造を解明するin vitro系の開発が遅れていたことと,高次構造を司る核蛋白質の解析がことに高等動物において乏しかったためであろう。in vitro系についてはアフリカツメガエル卵の抽出液を用いた系が開発されてきている1)。構築蛋白については,BHK21の温度感受性変異株の分構とそれを用いた相補遺伝子の単離(RCC1)2)や,ヒト自己抗体を用いた一群のセントロメア構築因子の単離3-5)などが成果をあげている。
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