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特集 染色体
染色体における核小体オーガナイザー
著者: 高山奨1
所属機関: 1関西学院大学理学部生物学教室
ページ範囲:P.239 - P.243
文献購入ページに移動 光学顕微鏡でみた分裂中期の染色体の動原体部位,つまりセントロメアは顕著なくびれをなしていることから一次狭窄と名付けられている。染色体によってはセントロメア以外にも第二次狭窄とよばれているくびれがある。この二次狭窄領域と核小体(仁)再形成との関わりは,1930年代にHeitz1)およびMcClintock2)によって報告されている。彼らは,細胞分裂の前期末に消失した核小体が終期において再出現する際,再形成中の核小体が特定染色体の二次狭窄部分と会合していることを観察しており,McClintock2)はこの二次狭窄部分を核小体オーガナイザー(nucleolar organizer)とよんだ。その後分子遺伝学の進展に伴い,核小体形成領域(nucleolus organizer region:NOR)はリボソームRNAの遺伝子が存在する領域であることが明らかになった。
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