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特集 染色体
ヒト染色体の遺伝子地図:ゲノムデータベース(GDB)について
著者: 清水信義1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部分子生物学教室
ページ範囲:P.274 - P.278
文献購入ページに移動 ヒトの細胞核には23対46本の染色体DNAが存在し,それらは60億塩基対という膨大な量の生物学的情報を担っている。これらの染色体DNAには推定10万種類の遺伝子がのっているといわれているが,現在,約4000種類がDNAクローンとして単離され,染色体上の局在も明らかにされている。一方,メンデル型の遺伝形式をとる疾病は約5000種類知られており,その多くはまだ原因遺伝子は不明であるが特定の染色体に帰属されている。さらに約3万種類のDNA断片や短い塩基配列が,染色体を大まかな間隔で区切るマーカーとしてマップされている。このような染色体マッピングは50年以上のヒト遺伝学と20年以上の体細胞遺伝学の伝統に支えられてきたが,近年の分子遺伝学とヒトゲノム解析計画の台頭によって加速度的に進展し,ヒト染色体の遺伝子地図に関する情報はもはや書物で扱う範囲をこえており,コンピュータによるデータベースの活用が不可欠となっている。
本稿では国際協力で運営されているゲノムデータベース(GDB)と,それに関連するいくつかのソフトウェアを紹介する。
本稿では国際協力で運営されているゲノムデータベース(GDB)と,それに関連するいくつかのソフトウェアを紹介する。
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