文献詳細
特集 造血の機構
文献概要
造血機構の解明を進めるに当って,in vitroでの造血機構の解明がcolony forming unit in culture(CFU-C)の技術が導入されて以来1,2)急速に進んだ。一方in vivoでの解明は,多血症マウスを用いたエリスロポエチンの解明3)やTillとMcCullochのcolony forming unit in spleen(CFU-S)の技術の確立(1961年)4)を通して,きわめて急速になされてきた。いまでは,造血幹細胞の性状が明らかにされたばかりでなく,多能性造血幹細胞を各種の血球に対するモノクローナル抗体とセルソータの技術を用いることによって単離することが可能になり5),またin vitroにて,その1個の幹細胞とストローマ細胞と培養することによって,すべての系列の血液細胞を培養液中で出現させることが可能な段階になっている。このような解析に加えて,1980年代に急速になされたサイトカインの研究によって6,7),造血機構に関与しうる多くのサイトカインとそれらのレセプターが報告され,サイトカインの多くを利用できる段階に至っている。
近年のこれら急速な研究の進歩はin vitroの研究によって裏付けされたものが多いが,歴史的にみれば,造血系細胞を用いた移植実験における細胞動態の研究については,何らかの形で目印がつけられたドナー細胞の,ホスト内での動態がくわしく究明されてきた。
近年のこれら急速な研究の進歩はin vitroの研究によって裏付けされたものが多いが,歴史的にみれば,造血系細胞を用いた移植実験における細胞動態の研究については,何らかの形で目印がつけられたドナー細胞の,ホスト内での動態がくわしく究明されてきた。
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