icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学45巻4号

1994年08月発行

文献概要

特集 造血の機構

M1細胞の分化に関与する遺伝子群

著者: 志田三穂1 永田和宏1

所属機関: 1京都大学胸部疾患研究所細胞生物学部門

ページ範囲:P.347 - P.351

文献購入ページに移動
 生物学で,もっとも興味深いテーマのひとつは,1つの幹細胞が,どのようにしてさまざまな細胞に分化できるかという点である。近年,分子生物学の技術のおかげで血液細胞の分化を起こす因子や遺伝子が明らかになってきた。これらの発展にもっとも重要だったのは,in vitroで細胞系を樹立し,しかもin vitroで分化を起こすことができるようになった点である。1969年に市川康夫は,SLマウスに自然発症した骨髄性白血病細胞を試験管内で培養し,樹立した細胞株をM1と名づけた1)。M1細胞は,白血病性の骨髄芽球であるが,マウスの肺細胞のconditioned mediumを加えることによってマクロファージに分化し,のちに,この分化誘導物質は,IL-6(interleukin6),またはD factor/LIF(leukemia inhibitory factor)であることが明らかにされた2,3)。この総説では,最近明らかになってきたM1細胞の分化と関係する遺伝子,および分化誘導因子について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら