文献詳細
特集 造血の機構
文献概要
血小板の母細胞が巨核球であることがWrightにより明らかにされたのは,90年も前のことである1)。その後血小板,巨核球に関する研究は非常な勢いで発展しているが,巨核球の分化・成熟,血小板産生機構,そしてそれらの調節機構はいまもって明らかにされていない。一方,赤芽球系や顆粒球系ではすでに赤血球,白血球の産生調節機構も明らかにされ,その系統の特異的造血因子であるエリスロポエチン(Epo),granulocyte colony stimulating facto(G-CSF),granulocyte-macrophage colony stimulating factor(GM-CSF)が遺伝子工学的に製造されて臨床現場での利用にまで至っている。
ヒト巨核球系の研究の障壁は,何といっても試料となる巨核球の不足があげられる。通常,試料は骨髄から得ているが,有核細胞105個あたり巨核球は1~5個の割合でしか存在しない。最近,その中から他の細胞の混入のない巨核球集団を選び分ける巧妙な方法も開発されて,巨核球の100%近い純化が可能になった。しかし,純化された巨核球は収量が少ないうえに死にやすく,まだin vitroのアッセイ系として充分に利用できうる状況ではない。このような研究状況下で大きな期待がかけられているのが巨核球系細胞株である。
ヒト巨核球系の研究の障壁は,何といっても試料となる巨核球の不足があげられる。通常,試料は骨髄から得ているが,有核細胞105個あたり巨核球は1~5個の割合でしか存在しない。最近,その中から他の細胞の混入のない巨核球集団を選び分ける巧妙な方法も開発されて,巨核球の100%近い純化が可能になった。しかし,純化された巨核球は収量が少ないうえに死にやすく,まだin vitroのアッセイ系として充分に利用できうる状況ではない。このような研究状況下で大きな期待がかけられているのが巨核球系細胞株である。
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