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連載講座 新しい観点からみた器官
汗腺―発汗の中枢機序と汗腺の神経支配
著者: 小坂光男1 土屋勝彦1 大渡伸1 松本孝朗2 嶋津宗典1
所属機関: 1長崎大学熱帯医学研究所環境医学部門(疾病生態研究分野) 2長崎大学熱帯医学研究所宿主病態解析部門(暑熱順化機構)
ページ範囲:P.371 - P.380
文献購入ページに移動しかるに,大戦当時の研究手法や技術面の不備は多大な困難を伴い,久野門下生の研究成果といえども完全でなく,とくに発汗の中枢メカニズム解明に問題を残してきたことは否めない。幸運にも1961年には,久野門下生の中山によって発汗中枢に深い関連をもつ温ニューロンが前部視床下部(PO/AH)において発見され,次いで1980年,交感神経を介する発汗分泌神経末端からニューロ・ペプタイドの一つであるVIPが分泌されるとの研究報告があり,発汗の中枢メカニズムの解明に光明が投じられ,発汗学の第2ルネッサンスの到来と期待をふくらませている昨今である。
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