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特集 ミトコンドリア
ミトコンドリア脳筋症
著者: 埜中征哉1
所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院臨床検査部
ページ範囲:P.691 - P.697
文献購入ページに移動 ミトコンドリア機能異常を原因とする疾患が注目を集めている。ミトコンドリアDNAの変異が見いだされ,それが臨床的診断に応用されるようになって,患者数は急増している1)。ミトコンドリアの機能が低下すると,筋力低下や易疲労性が共通な,おもな症状としてみられるので,疾患はミトコンドリア筋症(mitochondrial myopathy)とよばれていた。しかし,大半の患者は中枢神経系症状も伴うことから,現在ではミトコンドリア脳筋症(mitochondrial encephalomyopathies)あるいはミトコンドリア病とよばれ,表1のように分類されている。この中で最も代表的なのは,臨床的特徴により分類された3疾患で,ミトコンドリア脳筋症の約60-70%を占める。また各々の疾患に特異的なミトコンドリアDNA変異が見いだされている。
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