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特集 神経科学の謎
神経組織の発達はどのように分子的に制御されているのか
著者: 村上富士夫1 白崎竜一1 玉田篤史1 勝丸博信1
所属機関: 1大阪大学基礎工学部生理学教室
ページ範囲:P.18 - P.23
文献購入ページに移動交差性回路の形成の分子機構については,これまでは無脊椎動物を含む多くの材料を用いて研究が進められてきたが,近年,コラーゲンゲルを用いた培養法の導入などにより,哺乳類を用いた研究が大きく進展し,ケモトロピズム(chemotro-pism:この場合,拡散性因子による軸索伸長の誘導)の交差性回路形成における重要性が明らかにされつつある。そして昨年,脊髄のフロアプレート由来の拡散性化学誘引分子を同定したとの報告がされ,一挙に関心が高まった。さらに興味深いことに,フロアプレートによるケモトロピズムにも抑制的に働くものがあることが明らかになってきた。そこで本稿ではこれらの問題に関する最近の研究の展開に焦点を当てて紹介することにする。
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