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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻1号

1995年02月発行

文献概要

特集 神経科学の謎

注意は観測可能か

著者: 彦坂興秀1

所属機関: 1順天堂大学医学部生理学第一講座

ページ範囲:P.67 - P.71

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 注意は感覚情報を選択する機構である。われわれはその選択された情報にもとづいて行動をおこし,記憶を蓄える。そしてさらに,その行動や記憶にもとづいて注意による選択が行われる。この連鎖のなかで脳は適応し,自律性を獲得する。
 これまでおおくの心理学者や生理学者が,注意のありかたとそのメカニズムを明らかにしようとしてきた。しかし,依然としておおくの疑問が残されている。注意によって感覚情報処理の何が変わるのだろうか―強さなのか1,2),速さなのか3-5)。情報処理のどのレベルに作用するのだろうか―知覚を利用する過程で注意による選択が行われる(Late selection)のか6,7),知覚そのものの成立に注意がはたらく(Early selection)のだろうか8,9)。意志によって注意をなにかに向けることもできるし,外界のできごとに注意がひきつけられることもある。これらは同じ注意といえるのだろうか10)。共通するメカニズムはあるのだろうか。注意の対象は何だろうか―空間なのか,「もの」なのか,その特定の属性なのか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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