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特集 神経科学の謎
自意識はいかに脳に表象されるのか
著者: 伊藤正男1
所属機関: 1理化学研究所国際フロンティア研究システム
ページ範囲:P.87 - P.89
文献購入ページに移動 神経科学の謎のなかでもこれはいわば最終の謎であろう。従来はこのような問題は哲学に任せて,神経科学は関知しないできたのであるが,21世紀も近くなった今,この問題へのアプローチが真剣に考えられるようになってきた。
普通にいう「心」には,認識,随意運動,情動,記憶学習,意識の5つの成分がある。この内,心の中核となるのは意識であり,これが現在もっとも脳との関係が付けにくい成分である。二元論的な考えでは,脳はあくまで一種の機械で,これを操り,その働きを見ているホモンクルスが何処かにいることになってしまう。しかし,そんなものは何処にも見当たらない。では,脳と心をどのように結び付けたらよいのか,現在,この問題は4つの手掛かりを頼りにアプローチしようとされている。
普通にいう「心」には,認識,随意運動,情動,記憶学習,意識の5つの成分がある。この内,心の中核となるのは意識であり,これが現在もっとも脳との関係が付けにくい成分である。二元論的な考えでは,脳はあくまで一種の機械で,これを操り,その働きを見ているホモンクルスが何処かにいることになってしまう。しかし,そんなものは何処にも見当たらない。では,脳と心をどのように結び付けたらよいのか,現在,この問題は4つの手掛かりを頼りにアプローチしようとされている。
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