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特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
胎生期脳のチロシンホスファターゼ
著者: 田川雅敏1 白沢卓二2
所属機関: 1千葉大学医学部生化学第一講座 2東京都老人総合研究所病態老化学研究系分子病理研究室
ページ範囲:P.142 - P.145
文献購入ページに移動神経細胞においても多くの生理的反応が蛋白質のリン酸化によって制御されると考えられており,これを支持するように神経細胞ではチロシンキナーゼが豊富に分布している。またショウジョウバエで得られている変異株の解析から,チロシンキナーゼの機能についての研究が進められている3)。しかし神経細胞におけるチロシンホスファターゼの生物学的意義の解明は遅れているばかりか,その発現についても明らかにされている例は多いとはいい難いのが現状である。われわれは神経細胞の増殖と分化との接点を捜る目的で,胎児脳のチロシンホスファターゼの解析を開始したが,本稿では現在まで知られている胎児神経細胞における同酵素の発現様式と,最近われわれが単離しえた胎生期中枢神経に発現するチロシンホスファターゼ遺伝子について解説したい。
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