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文献概要
特集 ライソゾーム
オートライソゾーム膜の性質
著者: 上野隆1 木南英紀1
所属機関: 1順天堂大学医学部生化学第一講座
ページ範囲:P.210 - P.214
文献購入ページに移動 細胞を構成する蛋白がリソゾーム経由で分解される過程をオートファジー(autophagy,自食)と呼ぶ。オートファジーは生理的条件下ではあまり目立たないが,絶食やグルカゴンなどのホルモンによる刺激で著しく高められる。
オートファジーでは,分解されるべき細胞のオルガネラや可溶性成分を貯留した特殊な膜小胞が多数出現する。形成直後のものは二重膜構造を持ち,オートファゴゾーム(以下APと略)と呼ばれ,蛋白分解酵素を持たないため,取り込んだ細胞質成分は無傷の状態である。APはやがて一重膜の小胞に発達・変化し,盛んに蛋白分解を行うようになる。この段階のものはカテプシンをはじめとする多くのリソゾーム加水分解酵素を持っているので,オートリソゾーム(以下ALと略)と称す。APとALをまとめて自食胞(autophagic vacuole)と呼ぶこともある。
オートファジーでは,分解されるべき細胞のオルガネラや可溶性成分を貯留した特殊な膜小胞が多数出現する。形成直後のものは二重膜構造を持ち,オートファゴゾーム(以下APと略)と呼ばれ,蛋白分解酵素を持たないため,取り込んだ細胞質成分は無傷の状態である。APはやがて一重膜の小胞に発達・変化し,盛んに蛋白分解を行うようになる。この段階のものはカテプシンをはじめとする多くのリソゾーム加水分解酵素を持っているので,オートリソゾーム(以下ALと略)と称す。APとALをまとめて自食胞(autophagic vacuole)と呼ぶこともある。
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