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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻3号

1995年06月発行

特集 ライソゾーム

ライソゾームH―ATPaseの阻害剤

著者: 新井洋由1

所属機関: 1東京大学薬学部衛生化学裁判化学教室

ページ範囲:P.256 - P.261

文献概要

 ライソゾーム内はpH約5の酸性環境にある。この酸性環境は,ライソゾーム膜にあるH輸送性ATPaseがHをライソゾーム内に輸送することにより保たれている。近年,このATPaseの構造が解明され,これまで明らかになっていたNa/KATPaseやF1F0 ATPaseといったイオン輸送性ATPaseとは異なる新しいタイプのATPase(V型ATPase)であることが明らかになった。この酵素は,構造ばかりでなくさまざまな蛋白質修飾試薬に対する感受性も異なっている。さらに,バフィロマイシンA1やコンカナマイシンA1といった天然物由来のV型ATPase特異的阻害剤が見いだされ,これらは細胞レベルでのV型ATPaseの機能を調べる上で強力な武器となった。本稿では,V型ATPase活性を阻害する薬物について概説するとともに,この阻害剤を用いて細胞機能を解析した例について,われわれの研究を紹介する。なお,天然物由来のV型ATPase阻害剤については,森山らの総説に詳細に解説されているので,ぜひ参照していただきたい1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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