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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻3号

1995年06月発行

特集 ライソゾーム

発生に伴うリポライソゾームの集積とその役割

著者: 金井美晴1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第一解剖学教室

ページ範囲:P.273 - P.277

文献概要

 ライソゾームの主要な役割は不要物質の分解処分であるとされている。従ってライソゾームが細胞内に集積するような現象は,細胞の防御反応とみなされ,進んでは分解酵素の欠如やその阻害などによる病的所見とされる。脂質の封入をその特徴とするリポライソゾームも,たとえばウォルマン病において,その集積の原因が酸性リパーゼの欠損にあることが明らかにされた1,2)
 しかしライソゾームの集積は必ずしも病的所見とは限らない。われわれは正常な鶏胚および破殼後初期の雛の肝細胞にリポライソゾームの大量集積を見出したが,それは鶏胚の栄養とエネルギー代謝の根幹を支えている現象であるとさえ考えられるのである3,4)。ここでは,リポライソゾームの発生に伴う消長とその意義について述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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