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連載講座 新しい観点からみた器官
唾液腺―耳下腺腺房細胞における分泌機能と情報伝達
著者: 東城庸介1 田隈泰信2
所属機関: 1北海道医療大学歯学部歯科薬理学教室 2北海道医療大学歯学部口腔生化学教室
ページ範囲:P.278 - P.285
文献購入ページに移動唾液の水成分とアミラーゼやムチンなどの蛋白質成分とでは,腺房細胞における分泌様式が異なる。蛋白質成分は開口分泌(Exocytosis)によって腺腔内に放出されるのに対し,水成分の分泌は膜の電解質輸送を駆動力とする腺腔側への水の移動である。唾液分泌機構の研究は組織の灌流実験や組織スライスを用いたin vitro実験が主であったが,20年ほど前にコラゲナーゼやトリプシンなどの消化酵素を使って唾液腺細胞を単離する方法が紹介され,唾液腺細胞の情報伝達機構の研究は飛躍的に進歩した。ラットの耳下腺の場合,この方法で得られる細胞は約90%が腺房細胞であることから(図1),腺房細胞のみの分泌応答を解析するのに都合がよい。
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