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実験講座
蛍光標識法によるライソゾーム蛋白分解活性の解析
著者: 大下健幸1
所属機関: 1徳島大学酵素科学研究センター酵素化学部門
ページ範囲:P.286 - P.290
文献購入ページに移動 ライソゾームはほとんどすべての生きた細胞内に存在する。種々の細胞構築物質はオートファジーやヘテロファジーのメカニズムによって,最終的には,ライソゾームに供給され分解されている。ライソゾームには多種類のプロテアーゼが存在し,蛋白質はこれらのプロテアーゼの共同作用によって,アミノ酸にまで分解されると考えられる。したがって,蛋白質分解測定法のうち,蛋白質の分解によって生ずるアミノ酸の量を測定する方法は,ライソゾーム全体の蛋白質分解能を理解するためには重要である。そのための方法として,蛍光標識法による蛋白質分解測定法について述べる。
この方法は,蛍光標識剤Fluorescein isothiocyanate(FITC)がセファデックスやトヨパールのゲルに強い親和性をもっていることを利用している。FITCで標識したアミノ酸はこれらのゲルに親和性をもっているので,これらのゲルのカラムから遅れて溶出するのに対し,FITC標識蛋白質はゲルに親和性を持たず,カラムから早く溶出するので,前者を後者から簡単に分離できる。このようなFITCのゲルに対する親和性を利用して,アイソトープを使うことなく,種々の蛋白質のライソゾーム酵素による分解を測定する方法について述べる。
この方法は,蛍光標識剤Fluorescein isothiocyanate(FITC)がセファデックスやトヨパールのゲルに強い親和性をもっていることを利用している。FITCで標識したアミノ酸はこれらのゲルに親和性をもっているので,これらのゲルのカラムから遅れて溶出するのに対し,FITC標識蛋白質はゲルに親和性を持たず,カラムから早く溶出するので,前者を後者から簡単に分離できる。このようなFITCのゲルに対する親和性を利用して,アイソトープを使うことなく,種々の蛋白質のライソゾーム酵素による分解を測定する方法について述べる。
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