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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻4号

1995年08月発行

文献概要

特集 ストレス蛋白質

ストレス蛋白質とは何か

著者: 永田和宏1

所属機関: 1京都大学胸部疾患研究所細胞生物学部門

ページ範囲:P.298 - P.302

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 生物がまだバクテリアなどの単細胞生物であったころ,外界のわずかな温度変化は,一個の生命にとって致命的な意味を持っていたはずである。大腸菌は温度を40数度にして数十分置くと死んでしまうが,これはすなわち一個の細胞の死であるとともに,一個の生命の死であり,多細胞生物の体内の一個の細胞の死とは,意味が異なるであろう。ストレス応答は,このような単細胞生物においてすでに確立されている,外界の変化に対する防御応答機構である。
 多細胞生物における典型的な防御機構は,いうまでもなく免疫応答である。細胞性免疫,液性免疫を問わず,これは体内の免疫担当細胞のあいだの,複雑なネットワークによって発揮される防御機構であって,単細胞生物では見られない。ストレス応答は,もっとも古い時代からの,細胞レベルでの防御機構であるということができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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