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特集 ストレス蛋白質
文献概要
生物がまだバクテリアなどの単細胞生物であったころ,外界のわずかな温度変化は,一個の生命にとって致命的な意味を持っていたはずである。大腸菌は温度を40数度にして数十分置くと死んでしまうが,これはすなわち一個の細胞の死であるとともに,一個の生命の死であり,多細胞生物の体内の一個の細胞の死とは,意味が異なるであろう。ストレス応答は,このような単細胞生物においてすでに確立されている,外界の変化に対する防御応答機構である。
多細胞生物における典型的な防御機構は,いうまでもなく免疫応答である。細胞性免疫,液性免疫を問わず,これは体内の免疫担当細胞のあいだの,複雑なネットワークによって発揮される防御機構であって,単細胞生物では見られない。ストレス応答は,もっとも古い時代からの,細胞レベルでの防御機構であるということができる。
多細胞生物における典型的な防御機構は,いうまでもなく免疫応答である。細胞性免疫,液性免疫を問わず,これは体内の免疫担当細胞のあいだの,複雑なネットワークによって発揮される防御機構であって,単細胞生物では見られない。ストレス応答は,もっとも古い時代からの,細胞レベルでの防御機構であるということができる。
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