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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻4号

1995年08月発行

文献概要

特集 ストレス蛋白質

ミトコンドリアへの蛋白質輸送におけるストレス蛋白質の役割

著者: 遠藤斗志也1

所属機関: 1名古屋大学理学部化学科

ページ範囲:P.324 - P.327

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 ミトコンドリアは外膜と内膜の二重の生体膜に囲まれたオルガネラで,真核生物の祖先の細胞に共生した好気性細菌が進化的起源であると考えられている。しかし,進化の過程でミトコンドリア蛋白質の遺伝子の大部分は核のゲノムに移行し,今日ではミトコンドリアゲノムにコードされる蛋白質は10種類前後に過ぎない。核のゲノムによってコードされた蛋白質は,多くの場合アミノ末端にミトコンドリア行きのシグナルが書き込まれたプレ配列が付加した前駆体として,サイトゾルで合成される。そして,(1)ミトコンドリアに特異的に運ばれ(ターゲティング),続いて(2)ミトコンドリアの外膜と内膜を通過して(膜透過),内部すなわちマトリクスに取り込まれる。膜透過と並行して,前駆体はプレ配列がマトリクスのプロセシング酵素によって切断されて成熟体となる。こうしたミトコンドリア蛋白質のミトコンドリアへの輸送(局在化)過程に,ストレス蛋白質のhsp70のファミリーを中心とする分子シャペロンが重要な働きをしていることが,最近明らかになってきた1-4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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