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特集 ストレス蛋白質
核タンパク質輸送と70kDa熱ショックタンパク質
著者: 今本尚子1
所属機関: 1大阪大学医学部解剖学第3講座
ページ範囲:P.328 - P.332
文献購入ページに移動 真核細胞では,遺伝子情報を担うDNAが核膜とよばれる二重の膜構造で囲まれ,「核」というコンパートメントに封入されている。核膜で隔てられた核と細胞質は,核膜に存在する核膜孔を通して,タンパク質やRNAを絶え間なく流通させることによって互いにコミュニケーションをしている。
核タンパク質は,核に局在化するためのシグナルとして働くある特定のアミノ酸配列をその分子内にもっている。この核局在化シグナル(Nuclear Location Signal:NLS)は,本来核に局在化しないどのような構造の分子も核内へ連れ込む活性をもち,タンパク質を核へ局在化させるための必要十分の情報を担っている。核タンパク質輸送において,核タンパク質のNLSはまず細胞質に存在するシグナル受容体分子によって認識される。細胞質で認識された核タンパク質はいったん核膜孔の細胞質表面に結合したのち,ATPとGTPの加水分解に依存して核膜孔を通過して核内に移入する。
核タンパク質は,核に局在化するためのシグナルとして働くある特定のアミノ酸配列をその分子内にもっている。この核局在化シグナル(Nuclear Location Signal:NLS)は,本来核に局在化しないどのような構造の分子も核内へ連れ込む活性をもち,タンパク質を核へ局在化させるための必要十分の情報を担っている。核タンパク質輸送において,核タンパク質のNLSはまず細胞質に存在するシグナル受容体分子によって認識される。細胞質で認識された核タンパク質はいったん核膜孔の細胞質表面に結合したのち,ATPとGTPの加水分解に依存して核膜孔を通過して核内に移入する。
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